【実体験】日本の警察の一日とは
元警察官が語る日本の警察の一日とは
警察官は交代制で、365日24時間ずっと誰かは働いています。
しかし、24時間も何しているのだろうと考えたことはないでしょうか?
私も警察官時代には、市民の方から
「いつもパトロールありがとう」
と言われることもあれば、一時停止の反則切符を告知すると、
「いつも見張っとるけど、暇なんか!?」
と怒鳴られたこともあります。
この記事を見ている人の中には今後警察官になりたいと思っている人もいると思いますので、私の警察官時代の実体験で書いていこうと思います。
初めに言っておくと、警察官はあくまでも何が起こるかはわかりません。
その日に殺人事件があるかもしれませんし、何も起こらない可能性もあります。
しかし、何も起こらない日であっても、税金で給料を頂いている以上仕事はしなければなりません。
若手警察官(主に巡査)とベテランでもやることが変わってきます
そのため、今回は大きな事案がない日の若手一日を書いていこうと思います。
警察官の一日
警察官の一日は大きく分けて
①出勤
②交番配置
③昼間帯業務
④深夜帯業務
⑤交代前
の5つにわけることができます。
① 出勤
若手警察官であるとおおむね午前7時過ぎに出勤します。
これは、朝は9時から朝礼があるのですが、それまでに地域課の部屋の掃除と、柔剣道の朝稽古があるため、それに間に合わせるためです。
場所によって同期が何人かいると分担することができるので、もう少し遅く出勤してもいいと思いますが、私の場合は同期がいなかったので、朝一番に出勤して一人で掃除をしていました。
そして、7時30分頃から柔剣道の朝稽古があります。朝一でこれから24時間以上働くのに、概ね一時間ほどみっちり稽古します。普通に息が上がるし、夏はシャワーに入らないと汗臭くなってしまいます。
そして9時から朝礼があり、10時ころ前日の警察官と交代するという流れになります。
ここに月に一回通常点検という拳銃や警棒などの携行品の点検を行います。
②交番配置
朝礼後に、前日の警察官から、前日の取り扱い内容などの連絡と、無線機などの装備品の引継ぎを行い、各自で交番に向かいます。
交番につくと、交番日誌という取り扱い内容などが記録している日誌の確認をしたり、交番の物品などを確認します。
この時に、若手であると前日の日誌の内容から、もし自分がこの取り扱いを対応したら、どうするか。どうしたらもっといいか。などを考え上司や交番相談員さんと話したりします。
交番相談員さんは、元警察官で退職して再雇用された方なので、事件や取り扱いに関して詳しい人がおおいです。暇なときは、コーヒーをくれたり雑談なんかもしています。
③ 昼間帯業務
昼間帯の主な業務は、パトロール、巡回連絡、交通立番などです。
パトロールは、昼間帯は仕事に行く人が多いので、その分空き巣などが多くなります。そして、空き巣などが多いところは意外に固まっていることが多く、そのポイントを巡回したりします。パトロールによって犯人を捕まえるということは少ないですが、犯罪の予防につながります。
巡回連絡は、家を一軒ずつ回って、家の家族の名前や、緊急連絡先などを巡回連絡カードに書いてもらったり、地域のことで困っていることなどが無いか聞いて回ります。
巡回連絡カードは、災害が起きた際や、家族が事件に巻き込まれた場合などに使います。
交通立番は一時停止や、信号無視などを見ています。
よく「反則切符にはノルマがあるから、無理やり切っている」と言われたりしますが、これは半分正解で半分間違いです。
何件切らないといけないというノルマはないですが、若手警察官の場合、切符を切らないと上司から、「お前は昨日さぼっていたのか?」などと言われることがあります。
そのため、人によっては一日3件切るという風に自分にノルマを課している人もいます。
④ 夜間帯業務
パトロールは、昼とは違い事案で相談を受けた場所や、子供たちが集まりそうな場所に行きます。速やかに帰らすか、場合によっては補導措置をします。
職務質問は、人によって違いますが、駅前で自転車盗を見つける人もいれば、繁華街やホテル街にいき、薬物使用者を探します。職務質問での検挙は、警察官としての一番のやりがいでもありました。そして、上司からも一番褒められ評価されるものになります。
そして、交代で4時間の休憩になります。一日働いているのですぐに寝ますが、事案があれば起きていかなければならないし、ほかの事案の後処理で寝れない日も結構ありました。