元キャリア官僚から米Amazonへ ここからわかる日本の価値の危機

総務省のキャリア官僚を辞して渡米、MBA取得のために留学しながら働く時期などを経て、現在はAmazonのシアトル本社で働く日本人がいる。 縦割りの日本型組織から、グローバルに成長を続けるGAFAの一角へ。異色の経歴を持つその人は、2つの全く異なる環境をどう見ているのか。米Amazonのフィットネス部門でシニアベンダーマネジャーを務める竹崎孝二さんに話を聞いたニュースが報道された。

 

 彼は、日本が大好きで日本のモノ、人、技術を世界に広めたいという気持ちから渡米した。そもそもなぜキャリア官僚をやめたのか、その理由も答えており、「日本の官僚は責任が重く、拘束時間は長く、残業もどうしても発生してしまう仕事だったので、負荷はやはりありました。大きな組織として動いているので、意思決定をするときに利害関係者の数が多く、50人以上の決裁を経ないと終わらないような複雑な状況もありましたね。」と答えている。この風習は官僚だけでなく日本の企業には多く残されている風習であると思います。どうしても個人の発言や行動よりも、企業や組織などの全体のことを考えている。よく言えば日本人の得意な周りの空気を読むという作業ですが、悪く言えば個人の発言や行動を制限されていると思います。

 

 竹崎さんは、米amazonは、「リーダーシップ・プリンシプル」という、一人ひとりの従業員が全世界共通で持つべきとされる行動の指針がありそれを従業員全員が意識して仕事をしていると答えている。

 この「リーダーシップ・プリンシプル」のなかでも「オーナーシップ」と、「インベント&シンプリファイ」という二つがAmazonの特徴である。

 

 まず「オーナーシップ」は、当事者意識や主体性です。会議などがあれば社員一人一人がリーダーだという意識で、発言をしている。そこには年齢や階級は関係なく、「私はそうはおもわない」や「こうしたほうがいい」という発言をだれでもすることができる。これは、アメリカ特有の主体とした意見を言えるのは企業の成長には必要不可欠である。

 二つ目の「インベント&シンプリファイ」は。イノベーションみたいに何か新しいものを生み出して、それをなるべく簡単にして広げていきましょうという考え方です。日本の組織だと、個人がどれだけ頑張ったか、夜遅くまで働いたかが評価される環境が残っているところも多いと思うのですが、個人の努力や才能に依存して結果を出すような、周りが再現できないやり方は続きません。それよりも、誰がやっても結果が出せるような仕組みを作っていこう、というものです。これは、ヒューマンエラー対策にもなります。

 

私は、日本の技術は世界トップであると思いますが、それは現段階の話で数年で海外に市場を奪われる可能性もあると思います。現に韓国の製品は質が高いうえに値段が安い。庶民からすれば、値段の安さで質が変わらなかったらそちらに流れてしまう。

 今までの先人が築き上げた日本の価値を上げるのは若者の努力や発想であるが、日本の価値を下げるのは国民性や風習であるのかもしれない。

 数年前まで世界のトップ企業を独占していた日本が、今やGoogleAmazonFacebookappleのいわゆる「GAFA」にごぼう抜きされ、差が開くばかりだ。

 日本の価値を取り戻すために日本人の価値観を変える努力をしていかなければならないと私は思いました。

 

 

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